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認知症になっても…

クロスワードや計算が得意なご利用者様 老人ホームに入居されても  人の役に立てることはないか と思っておられます なぜここに入居しているの?  契約は誰がいつしたの?  いつから自分はここにいるの?  私はどこへ行けばいいの? と時々尋ねに来られます。 入居ではなく、女中さんとして働きに来たと思っておられることも時々あります 「私は事務しかやったことがないから、人のお世話はやったことがないわ…」 と相談に来られたり 「私は事務が得意なのよ。なんでもお手伝いできるのよ」 と声をかけてくださいます ある時、タブレットを見て 「それ、ゲームとかできるの?覚えればできるんでしょ」 「ルールを教えてもらえればできるわよ!」 ゲームがお好きなようです 「主人が居たころはね、マージャンによく出かけ、黙って終わるのを待っていたのよ 待っているうちにルールを覚えちゃって、主人と一緒にマージャンしてたのよ」 とてもいい笑顔で ご主人様との思い出話をしてくださいます。 居室のテレビの横には デイサービスのマージャン大会で、持ち帰って来たトロフィーがあります 「トロフィーがあるからもらってきたんだね~」と笑顔 よく 脳を鍛えておくと認知症にならないと聞きますが…??? デイサービスで、マージャンをしてきたことは記憶にありません。 デイサービスに行ってきたことも記憶にありません。 デイサービスご利用の朝、出発の30分前には玄関に来て、お迎えを待っています。 「私は今日どこへ行くの?どこかへ行く日じゃないかしら…」 行先も時間もわからないけど、出発に遅れないように文庫本を読みながら待っています。 「何の本読んでいるのですか?」 尋ねます 「さあ~。何て本かしら…」(笑) 認知症になっても  さっきの記憶は忘れてしまっても 過去の経験や覚えたルールは忘れない それは その方の生きてきた証 たくさんの記憶は忘れてしまっても  思い出して笑えたり誇りに思える記憶があることは幸せなこと これからも、ご利用者様の思い出話で 幸せな時間を共にできたらと思います