被災地にて
新幹線を乗り継ぎ、ようやく息子の住む街に着きました。 電車もバスも運休。レンタカーも空きは無く、移動手段はタクシーしかありません。 駅前でタクシーに乗り、息子の元に近づくにつれ、被災状況があらわになっていきます。 水が引いたとはいえ、そこが田んぼかと見間違うほどの泥沼。 街中の人が後片付けに追われ、浸水して使えなくなった家財道具や畳などがあちこちに積まれています。 まさに地獄絵図。 なんて酷い水害だったんだろう。そう、思いながら一路息子の下宿先へ。 「母さん、来たの…?」 ようやく着いた下宿先には、疲れ果てて放心状態の息子がいました。 部屋はあらかた片づいたと言っていたけれど、 よく見たらまだまだ泥や埃で汚れ、かろうじて濡れなかった私物がベッドの上に散乱していました。 「大丈夫だよ。お母さんがいるから、もう大丈夫。」 そう言って何度か励ましながら、私は改めて掃除や片付けを始めました。 途中、何度か「疲れたね。ちょっと休憩しようか。」と声をかけるも、息子は何も飲んだり食べたりしません。 下宿の共同キッチンには各保護者からの差し入れの食べ物や飲み物がいっぱい。でも、息子はお昼におにぎり1個しか食べず。いつもは食欲旺盛なのに…。 日が暮れかかり、「お母さんと一緒にホテルに泊まろう。お風呂も入れるよ。」と誘うも息子は下宿を離れることを拒みます。 私は1人ホテルに帰りました。 ホテルに泊まり次の朝、顔を洗って化粧をしようと化粧水を顔に塗ろうとしたら、 「バシャー!」 ん?何じゃこりゃ。化粧水ちゃうやん。ペットボトルのアイスティーやし。 あかん。私、疲れとる。しっかりしな。 気を取り直し、化粧をして出かけようと部屋の鍵を探すと、 今度は鍵が見つからない。 荷物もゴミも、部屋中何度探しても無い。(/ _ ; ) 弁償覚悟でフロントに電話をすると、 「はい、実は昨夜ドアにキーがさしっぱなしでしたので、フロントにお預かりしています」と。 えーっ!Σ(゚д゚lll) キーがさしっぱなしー? ヤバイわ。どんだけ私疲れとるん?(ーー;) キー事件を解決し、本日も息子の元へ。 部屋の片付けをしていると大学から休校が更に延期になっ