主任の葛藤

「それはね、渡辺主任。アセスメントができてないからじゃないですか?」

私が投げかけた質問に返答していただいた言葉だった。




が! しかし

当の私といったら


???


お昼ご飯を買いにコンビニに入っても


???


(まだ小森さんいるかな?もう一度聞いてみよう!!)




急いで戻る




「マネージャー!小森さんは?」

「もう帰えられたよ。何やった?」

「聞き直したいことがありまして。あ、でも次来られた時で大丈夫です」





とは言ったものの 悶々とした日々が過ぎていく



(安心してください!いつでも教えますよ!)



そう言ってくださると分かってはいるけれど 次回お会いできる日まで辛抱強く待つこととした



いよいよ待ちに待った日




「小森さん、もう一度聞いてもいいですか?」



食前、食後はきっとどこの施設も慌ただしく忙しく感じる時間帯


ある日は、慌ただしさを全く感じない
ある日は、慌ただしさが伝わってくる

ある時、たまたま通りかかったら一人のスタッフが助けを求めてきた。食後職員3人しかいない時間帯に、4人のご利用者様が 同時にトイレに行きたいと訴えられたためパニックになってしまったとのこと。

一人で行かれたり、自操され転倒やお怪我に繋がるリスクが高い方からお連れするようアドバイスする。

その際お待たせする方には声がけし、排尿であれば我慢していただくことは体に良くないため一言添え、もしパットの中にされても、きれいなものと交換するので(具体的に何分後か時間を伝える)待っていてください、とお詫びしながら声掛けするようアドバイスした。



しかし

本当にその説明で良かったのか自信がなくなった。


けれど 配置されている職員の数以上 無限になど投入できない。


限られたスタッフの中、一瞬一瞬いかにして ご利用者様に辛抱、我慢をしていただかないよう配慮するには どうしたらよいのかスタッフはきっと日々格闘しているはず。


明るい小森さん
「そのご利用者様の排泄の間隔を把握しているか。スタッフ間で共通認識があるか。しっかりアセスメントできていないと動けないものです」


返答していただいた言葉だった。



感覚では分かっていたけど
(そうだそうだ!言語化していただいてありがとうございます!)







その昔
施設ケアマネをしていた頃
フロアをスタッフさんに声をかけながら3階、2階、1階と回っていくと



ご利用者様の表情が


3階 笑顔が多い

2階 険しい表情

1階 淋しい表情




それはそれは

ピンク、黒、グレーなどパーンと色が目に飛び込んでくるくらいはっきりと分かったものだった



ある日
全ての階が集合し申し送りをする際、2階の日勤リーダーから出た言葉


「本日排便あった人はいませんでした。今日はとても落ち着いて業務がこなせたので夏祭りの準備が進みました(笑)」 他のスタッフも笑う。






ご利用者様の表情は 



ご利用者様の色ではなく



スタッフの「色」だった


黒からピンクに変える日が訪れることなく私は退職してしまった





詰まるところ  アセスメントとは





その方を丸ごと受け止める心無くしては

ただの情報に過ぎない

情報だけでは人は動かない



情報から達成に繋げるためには


心が動く体験を積み重ねていくことが一番の近道なのかも。



「おしっこ間に合った~ ありがとうね忙しいとこ」

「待っとるわ。いつも5分待っとると来てまえるで」

「〇〇さんの後やね。ええよ。あの人転ぶで先行ったりゃー」




そんな言葉を言われた日には

感動と感謝しかない





生きたアセスメントをするためには







本日の独り言・・・


コメント

匿名 さんのコメント…
どうすればよいか分からない時ほど、落ち着いて状況を見たいと思いました。
また、人の表情もしっかりと見ていきたいと思いました。
生活相談員 國枝 さんの投稿…
日々の仕事というのは毎日何気なく始まって終わっていきますよね。新しいご利用者様が入られても何気なく介助が始まっていないか不安になる事があります。
いろいろな研修に行ってもアセスメントの重要性を話される場合が多くあります。
確かに、その方とアセスメントなし関わろうとするのはとても危険な事でもあると思います。
まずはアセスメントですよね。アセスメントを元にその方の排尿間隔なども把握していく事が大切ですね。
介護職員 べーさん さんの投稿…
その方を知っていないと優先順位が間違ってしまうということですね。一度に何人ものご利用者様に「お部屋に行きたい、お薬ちょうだい、トイレに連れてって」とお声をかけられた時、一番先にお声をかけられた方が先というわけにはいかない事があります。その時の声かけや正しい優先順位を判断出来るよう日々奮闘してます💦
ヨッシー さんの投稿…
介護は人に対する仕事なので状況判断がとても難しいです(-_-;)
客観的な利用者様の身体的情報に加え、主観的なご利用者様の気持ちに配慮した行動二つを判断して優先順位を決める必要があるなら、普通の人にはとても出来ません💦介護に携わる事は頭も体力も使う高度なお仕事ですね。
日々自分に出来ることを考えて動けたらいいなと思いました。
匿名 さんのコメント…
一人一人の表情、特徴は日々忙しなく続く毎日の中で見落としがちになるで、今一度冷静に物事を対処できればと思いました。
あけみ さんの投稿…
今の学生の方々はアセスメントの方法、記録の仕方等をものすごく時間をかけて学んでみえます。そんな学んできた方から、アセスメントはどうされているんですか?と聞かれたら答えられるだろうかと、考えさせられました。今一度、考えねば。
匿名 さんのコメント…
アセスメント、大切ですね。
排泄は、毎日の生活に欠かせない、人間の基本的欲求で、その方の尊厳にも繋がっていると思います。
リハパンやパットでなく、トイレでできるとスッキリとした表情をされて、感謝の言葉を頂いたり、介助していて嬉しく感じます。
オムツの方も、排泄の間隔を把握していれば、すぐに交換に入れるので衛生的だし、排泄物の不快感も素早く取り除けます。
そして、衣服までの汚染を防いでくれたり。
排泄管理表は、ただ記録するだけでなく、意識して確認し、一人一人に合わせた声かけや介助をしていきたいと思いました。
そうした働きかけが、生きたアセスメントに繋がるのではないかと思います。
介護主任 ゆきみ さんの投稿…
記録してそのままの状態になってます。。。
どのタイミングでお連れしたらいいか、ちゃんとアセスメントしなくてはダメですね
そしてスタッフみんなで共有していくことも大切ですね(*´ `*)
そうむヘルパー さんの投稿…
介護において優先順位を付けるのは難しいこといっぱいありますね。
要望に振り回される介護にならないように
ご利用者様の排せつの間隔や習慣を知っておくこと。
また気温、湿度によって水分量や排せつの間隔が変わることを
意識していかなくてはと改めて思いました。
匿名 さんのコメント…
排泄チェック表等をフル活用することが大切ですね!それを各個人が共有できると又一歩、質の良い介護が提供できるかと思います。

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